freee申告における支払調書のズレ問題の解決について

記事監修

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税理士・中小企業診断士 小口 亮平

慶應義塾大学法学部卒。ITストラテジスト、freee認定アドバイザー。法律会計事務所での実務経験を活かし、資産税申告や事業承継、クラウド会計導入などITと税務の両面から経営を支援。

【最新】freeeでの源泉所得税管理と支払調書:仕様変更による解決ガイド
Updated: 2024/2025 Standard

【解決】freee支払調書の金額ズレを防ぐ!「同一取引内集計」設定による新・標準運用

BSの美しさと支払調書の正確性を両立させる最新の設定方法

New 最新の標準解決策:チェックボックス一つで解消

freeeの機能アップデートにより、支払調書の連携条件に新しい設定項目が追加されました。これを利用することで、「納付時の仕訳に取引先を指定しても、支払調書の金額が相殺されない」運用が可能になりました。

設定すべき項目

申告freeeの支払調書作成メニュー(発行先一覧)にある以下の項目にチェックを入れます:

費用発生と同一取引内に記帳された源泉徴収額のみ集計する

この設定で何が変わるのか?

  • 以前:「預り金」という勘定科目・取引先が一致する全ての仕訳を合計していたため、納付(マイナス)と預かり(プラス)が相殺されていました。
  • これから:「報酬の支払い」と同じ決済ID(取引)に含まれる源泉所得税だけをカウントし、別取引である「納付時の仕訳」は完全に無視されます。
注意:この設定は「取引」形式での記帳が前提です。振替伝票・仕訳帳形式での入力は対象外となります。

新設定適用後のデータ連携イメージ

集計対象

取引A:報酬の支払い

(支払管理から登録)

借:支払報酬 100,000
貸:未払金 89,790
貸:預り金 10,210(取引先A)
集計対象外

取引B:税務署への納付

(自動で経理などから登録)

借:預り金 10,210(取引先A)
貸:普通預金 10,210

新設定により、取引Bに取引先が指定されていても「取引Aの中の預り金」だけが調書に載ります。

以前までの回避策(参考)

上記の設定が使えない場合や、振替伝票を多用する運用を行っている場合は、引き続き以下の方法が有効です。

方法① 期末振替運用

期中は納付時に「取引先なし」で処理。期末に振替伝票で「取引先あり」と「なし」をぶつけてBSを整理する方法です。

方法② 申告freeeでの直接編集

連携後の申告freee上で、源泉徴収税額を正しい(グロス)金額へ手入力で上書きする方法です。受給者が少ない場合に有効です。

まとめ:これからの実務

長らく「BSを綺麗にするか、支払調書の正確性をとるか」という二択を迫られてきましたが、今後は「同一取引内集計」設定をONにし、毎月の納付仕訳でも堂々と取引先を指定するのが正解です。

実務上のチェックポイント:

  • 申告freee側で設定にチェックが入っているか確認する
  • 源泉所得税の預かりが「振替伝票」ではなく「取引」として登録されているか確認する
  • これにより、決算整理での手間(源泉税の残高整理)を大幅に削減できる

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