相続税申告とは?流れなどを解説
税理士・中小企業診断士 小口 亮平
慶應義塾大学法学部卒。ITストラテジスト、freee認定アドバイザー。法律会計事務所での実務経験を活かし、資産税申告や事業承継、クラウド会計導入などITと税務の両面から経営を支援。
相続が開始された場合、一定を超える財産を取得すると相続税を支払う必要があります。
今回は相続税申告とは何か、流れなどについて解説します。
相続税申告とは?
相続税申告とは、被相続人から財産を相続した人が、その相続した財産の価額が基礎控除額を超える場合に、税務署に対して相続税の額を計算して報告し、納税を行う一連の手続きを指します。
基礎控除額は、3000万円に法定相続人の数×600万円を加えた金額と定められています。
相続申告の流れ
相続税の申告は、おもに以下の流れで進められます。
申告義務の有無の確認
相続税の申告手続きを始めるにあたり、最初に申告義務の有無を確認する必要があります。
課税価格の合計額が基礎控除額を超えない場合は、原則として相続税の申告は不要となります。
申告義務の有無を確認するためには、まず相続財産と債務の正確な洗い出しと評価を行う必要があります。
相続税申告書を作成する
申告義務がある場合や、特例の適用を受ける場合は、相続税申告書を作成します。
相続税申告書は、複数の様式で構成されており、申告の根拠や計算過程をすべて記載する必要があります。
申告書には、被相続人から取得した財産の課税価格、相続税の総額の計算に関する事項、そして各相続人が納めるべき税額、納税義務者の住所や氏名などを記載します。
また、申告書には、多くの添付書類を準備する必要があります。
相続税申告書を提出する
作成した相続税申告書と添付書類一式は、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出します。
申告書は、相続人等が複数いる場合は共同でひとつの申告書を提出できますが、個別に提出しても構いません。
提出は、税務署の窓口に直接持参する方法、郵便で送付する方法、またはe-Taxと呼ばれる電子申告で行う方法があります。
最も注意が必要なのは、申告期限です。
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内と定められています。
この10か月という期間内に、遺産分割協議を完了させ、申告書の作成と納税を完了させる必要があります。
期限の末日が土曜日、日曜日、または祝日の場合は、その翌日が申告期限となります。
申告期限を過ぎてしまうと、ペナルティが課される可能性があるため、早めの準備が必要です。
相続税申告を行うときの注意点
相続税申告を行う際には、後の税務調査やペナルティを避けるために、いくつかの重要な点に注意する必要があります。
未分割でも申告を行う必要がある
相続税申告の注意点として、未分割でも申告を行わなければならない点です。
相続税の申告期限である10か月以内に、遺産分割協議が完了せず、誰がどの財産を取得するか決まっていない状態であったとしても、相続税の申告を行ってください。
申告期限までに遺産分割が確定していない場合、法定相続分で財産を取得したと仮定して相続税額を計算し、申告書を提出しなければなりません。
ただし、遺産が未分割の状態で申告すると、前述の配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった大きな特例を適用することができません。
これらの特例は、誰がその財産を取得したかによって適用が決まるためです。
未分割で申告した後に遺産分割が確定した場合、改めて期限後3年以内に申告内容を修正する手続きを行うことで、特例の適用を受けることが可能となります。
申告を行わないとペナルティを加算される
相続税の申告義務があるにもかかわらず、申告を行わなかったり、申告期限に間に合わなかったりした場合は、ペナルティとして加算税が課されることになります。
申告期限までに申告をしなかった場合は、無申告加算税が課されます。
また、意図的に財産を隠すなどして、申告額を少なく見積もっていたことが判明した場合は、より重い過少申告加算税や重加算税が課される可能性があります。
さらに、申告期限を過ぎて納税を行う場合は、本来の税額に加え、延滞税も課されます。
これらのペナルティの税率は非常に高くなることがあるため、相続税申告は必ず期限内に行うことが大切です。
まとめ
今回は、相続税申告とは何か、簡単な流れや注意点などについて解説しました。
相続税の申告は、相続財産の種類などによってかなり複雑な手続きになりえます。
誤るとペナルティとして追加で税金を支払う可能性もあります。
相続税の申告手続きでお困りの方や、不明点・不安がある場合は、ぜひ当事務所までご相談ください。
当事務所は山梨県甲府市を中心に、県内全域からご相談を承っています。


