電子マネー利用の現状
近年キャッシュレス決済手段が多様化し、利便性も向上しています。ここでは、今年6月に発表された総務省の調査結果※から、電子マネーの利用状況に関するデータをみていきます。
目次
利用世帯割合は50%超に
上記調査結果から、2008年(平成20年)以降の全国二人以上世帯における、電子マネーの保有割合や利用割合をまとめると、表1のとおりです。
【表1】電⼦マネーの保有・利用世帯の割合(%)
総務省統計局「家計消費状況調査年報(平成 30年)結果の概況」より作成
直近の2018年の状況をみると、電子マネー保有世帯割合は59.2%、利用世帯割合は初めて50%を超えました。
平均利用金額は2万円に近づく
調査対象の電子マネーは、交通系や小売系、専業系などに分類され、鉄道やバスの乗降時や買い物時などに利用されます。表1の利用世帯における、1ヶ月の平均利用金額などの推移をまとめると、表2のとおりです。
【表2】電⼦マネー利用世帯の1ヶ月の平均利用
⾦額と二⼈以上世帯全体に占める1万円以上利用した割合(円、%)
総務省統計局「家計消費状況調査年報(平成 30年)結果の概況」より作成
1ヶ月の平均利用金額は、2011年に1万円を超えました。その後2018年には18,256円と2万円に近い額になっています。なお、2018年 の結果で最も割合が高い平均利用金額帯は、1万円以上3万円未満でした。
また、全国二人以上世帯全体に占める1ヶ月1万円以上利用した割合は、2018年には28.0%と全体の1/4を超えました。
事前に現金をチャージして使用する電子マネーは、比較的分かりやすい決済手段といえましょう。そのため、キャッシュレス決済が初めての方にも使いやすく、今後も利用する人は増えるのではないかと思われます。
※総務省統計局「家計消費状況調査年報(平成30年)結果の概況」全国3,000の調査地点より選定した約3万世帯を対象とした調査です。この調査での「電子マネーの利用」とは、事前に現金と引換えに金銭的価値が発行されたICカードやプリペイドカード等(Suica、ICOCA、PASMO、nanaco、WAON、楽天Edy、We bMoney、BitCash、クオカードなど)の利用をいいます。詳細は次のURLのページから確認いただけます。https://www.stat.go.jp/data/joukyou/2018ar/index.html