個人事業主が受け取る助成金の課税関係

私は個人で美容院を経営しています。今般の新型コロナウイルス感染症の影響により従業員の子供が通う小学校が臨時休業となり、出社できないこととなったため、当該者へ特別休暇を与え、国から《小学校休業等対応助成金》を受け取ることとなりました。その後、店舗を構える地域で緊急事態宣言の発令があったため、一定期間の休業を行うこととなり、新型コロナウイルス感染症特例措置である《雇用調整助成金》も受け取る予定です。これらの助成金を受け取ったときの課税関係を教えてください。

 

 


新型コロナウイルス感染症の影響により、国や地方公共団体(以下、国等)から支給される助成金がありますが、課税関係はそれぞれ異なります。
ご相談者は個人で美容院を経営されていることから、“個人事業主”に該当します。個人事業主が支給を受ける《小学校休業等対応助成金》や《雇用調整助成金》は、いずれも“事業所得”として所得税の課税対象となります。

 

 

 

目次

課税対象となるもの、ならないもの

国等から支給される助成金は、個々の事実関係によって、所得税の計算上、課税の対象となるもの、ならないものに分かれます。

 

(1)課税の対象とならないもの

次のいずれかに該当する場合には、課税の対象とはなりません。(非課税所得)

●助成⾦の⽀給の根拠となる法令等の規定により、非課税所得とされるもの(児童手当など)
●その助成⾦が次に該当するなどして、所得税法の規定により、非課税所得とされるもの(臨時福祉給付⾦など)
・学資として⽀給される⾦品
・心身又は資産に加えられた損害について⽀給を受ける相当の⾒舞⾦

 

(2)課税の対象となるもの

(1)のいずれにも該当しない助成金は、 課税の対象となります。課税の対象となる助成金は、次のいずれかの所得に区分します。

 

ご相談のケースは、いずれの助成金も従業 員へ支払う休業手当等賃金の補填であり、業務上の取引に関連して支給される助成金に該当することから、事業所得に該当します。

今後も国の施策として、様々な助成金が支給されることと思われます。課税の判断は、当事務所までお問い合わせください。

 

参考:国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」