亡くなった人も、確定申告が必要?

確定申告が必要な人が年の途中で死亡したときは、相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税を行う必要があります。

 

Question
平成30(2018)年11月に自営業を営んでいた主人が亡くなりました。
平成29(2017)年分の所得税の確定申告と納税は行いました。平成30(2018)年分も、確定申告や納税は必要ですか。
誰がいつ行えばよいでしょうか。

 

Answer
年の途中で死亡した人が事業を行っていた場合など、確定申告書を提出する必要があるときは、その相続人が全員で、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税をしなければなりません。
これを準確定申告といいます。

 

こんな場合には準確定申告が必要です

通常の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得の状況を、翌年の2月16日から3月15日までに申告し、納税します。
一方、準確定申告の場合は、計算期間を1月1日から死亡した日までとし、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に申告と納税の手続きを行います。

準確定申告は、例えば、次のような場合に行います。

【例】
・給与収⼊が2,000万円以上である場合
・2ヶ所以上から給与をもらっていた場合
・公的年⾦等の収⼊が400万円を超えた場合
・⽣命保険などの満期⾦や⼀時⾦を受け取っていた場合
・⼟地や建物を売却した場合
・事業所得・不動産所得がある場合

 

 

🔶準確定申告で税金が戻るケース

① 高額医療費を支払っていた場合

② 源泉徴収された給与収入のみで、年末調整が行われなかった場合

③ 各種控除を受ける場合

 

 

🔷確定申告と準確定申告の違い

 

被相続人が、生前に確定申告を行っていた場合は、相続発生後、被相続人の準確定申告を行う必要がある場合があります。

また被相続人が事業を行っていた場合は、消費税納税義務者の可能性もあります。その場合は消費税も準確定申告が必要です。消費税の準確定申告も、申告期限、申告義務者、計算期間、申告書提出先などは、所得税と同様の扱いとなります。

 

参考〉国税庁ホームページ、所法16・85・124・125、所令263、所規49、所基通85-1・124・125-4、消法21、45、46、消令63他