1月からの給与の源泉徴収 必ず最新の源泉徴収税額表で!

平成30年度税制改正や令和元年度税制改正により、令和2年分の給与に係る源泉徴収税額表その他が変わります。

 

目次

扶養親族等の数

給与を支給する際は、所得税(復興特別所 得税を含む。以下同じ。)の額を計算・徴収し、納付します。これを“源泉徴収”といいます。

『給与所得の源泉徴収税額表(月額表及び日額表)』(以下、源泉徴収税額表)を用いて、源泉徴収する所得税の額(以下、源泉徴収税額)を求める場合、扶養控除等申告書(以下、マル扶)の提出者であれば、甲欄を使用します。甲欄は、〔その月の社会保険料等控除後の給与等の金額〕をもとに、「扶養親族等の数」に応じて源泉徴収税額を求めます。この「扶養親族等の数」が、令和2年1月の給与支給分から下のとおりとなりました。

 

【扶養親族等の数】

扶養親族等の数は、次の①から④の合計です。

源泉控除対象配偶者に該当…1人加算
※マル扶に記載がされていないものとされる 源泉控除対象配偶者を除く

控除対象養親族に該当…1人加算

所得者本人が次に該当するごと…1人加算
・障害者(特別障害者を含む)
・寡夫又は寡婦(特別の寡婦を含む)
・勤労学生

④ 所得者本人の同一生計配偶者又は扶養親族のうち、次に該当するごと…1人加算
・障害者(特別障害者を含む)
・同居特別障害者

 

対象者の見直し

「扶養親族等の数」を求める際の①~④の対象者について、令和2年分から一部見直しがされています。具体的には、対象者の所得金額要件の見直しと、源泉控除対象配偶者から除外される者の付加です。

 

1.所得金額要件の見直し

基礎控除額の改正の影響で、対象者の所得金額要件が見直されています。「扶養親族等の数」は、提出を受けたマル扶から対象者を判断することとなるため、数を求める上で影響がある部分を、マル扶の記載区分ごとに下表のとおりまとめました。

 

2.源泉控除対象配偶者から除外される者

令和元年度税制改正により、夫婦間で重複して、源泉徴収時に源泉控除対象配偶者の適用ができない改正がなされました。それが【扶養親族等の数】の※に記した『マル扶に 記載がされていないものとされる源泉控除対象配偶者を除く』です。

財務省の「令和元年度税制改正の解説」 の内容を元に例えると、Aのマル扶に源泉控除対象配偶者としてBを記載していた場合で、Bのマル扶等に源泉控除対象配偶者としてAを記載して適用を受けるときは、AはBの記載がされていないものとして、「扶養親族等の数」を計算することとなります。

 

源泉徴収税額の見直し

令和2年分の源泉徴収税額表の源泉徴収税額は、次の平成30年度税制改正の影響により見直されています。これは源泉徴収税額を自動計算する、いわゆる“電算機計算の特例” も同様です。

 

・給与所得控除額の⾒直し
…一律10万円引き下げ
…上限額195万円(収⼊⾦額850万円)へ引き下げ・基礎控除額の改正
…一律38万円→最高48万円へ

・所得⾦額調整控除の創設

…給与年収850万円超で一定の要件に該当する場合は、一定額を給与所得⾦額から控除

令和2年1月以降の給与支払をする際には、必ず令和2年分の源泉徴収税額表あるいはそれに見合った“電算機計算の特例”等を用いて、適正な源泉徴収を行いましょう。