財産から控除できる葬式費用とは?

相続税を計算する時、葬式費用は財産から控除することができます。
では、具体的にどのようなものが、葬式費用として控除できるのでしょうか?

 

Question
相続税の申告書を作成するにあたり、必要書類等を収集しています。
葬式費用については、相続税の計算上、財産から控除できるものとできないものがあると聞きました。
具体的にどのようなものが控除できるのか、教えてください。

 

Answer
相続人等が負担した「葬式費用」は、相続税の計算上、財産から控除します。
ただし、この控除ができる「葬式費用」は限定されています。
例えば相続人等が負担した通夜や告別式の費用は「葬式費用」となりますが、香典返しの費用は「葬式費用」に該当しません。

 

「葬式費用」となるもの、ならないもの

葬式費用は亡くなった人(以下、被相続人)が負担するものではありませんが、相続が発生することによって必然的に生ずる費用です。相続税を計算する上では、相続人等が負担した一定の「葬式費用」は、財産から控除することができます。

「葬式費用」となるのは、次の費用です。

🔸「葬式費⽤」となるもの

① 葬式若しくは葬送に際し、⼜はこれらの前において、埋葬、⽕葬、納骨⼜は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費⽤(仮葬式と本葬式を⾏うものにあっては、その両者の費⽤)② 葬式に際し、施与した⾦品で、被相続⼈の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費⽤③ ①⼜は②で掲げるものの他、葬式の前後に⽣じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの④ 死体の捜索⼜は死体若しくは遺骨の運搬に要した費⽤

一方で、次の費用は「葬式費用」とはみなされず、財産から控除することはできません。

🔹「葬式費⽤」とならないもの

① ⾹典返戻費⽤
② 墓碑及び墓地の買⼊費並びに墓地の借⼊料
③ 法会に要する費⽤
④ 医学上⼜は裁判上の特別の処置に要した費⽤

 

葬式費用については、宗教や地域的慣習、また被相続人の職業や社会的地位などによって、規模や必要な費用などが大きく異なります。また、ここでご紹介した以外でも、葬式費用になると考えられるものもあります。判断に迷われた際は、当事務所へお問い合わせください。

参考〉相法13、相基通13-4、13-5、国税庁ホームページ