中小企業のIT活用状況

大企業に比べると、中小企業ではITの活用が遅れぎみといえます。ここでは、中小企業基盤整備機構が平成30年2月に発表した調査結果※から、中小企業のIT活用状況などをみていきます。

※中小企業庁「2017年版中小企業白書」

ここで紹介したデータは白書434ページ掲載のデータです。表中の()内の数字は回答数です。白書の詳細は次のURLのページから確認いただけます。http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/h29/index.html

目次

パソコンや市販ソフトの活用が多い

上記調査結果から、中小企業の現状でのIT 活用状況をまとめると、下表のとおりです。全体では売上金の会計処理や給与の事務処理などにパソコンや市販ソフトを活用している割合が最も高く、36.7%となりました。次いで自社のホームページを有し、問合せや受注につなげている割合が高くなっています。クラウドサービスの利用は10%程度にとどまっています。

活用状況ごとにみると、パソコンや市販ソフトを活用している割合が最も高いのは建設業で、自社のホームページを有し、問合せや受注につなげている割合と、生産管理やマーケティングにITを活用している割合は製造業が最も高くなりました。クラウドサービスの利用割合が最も高いのはサービス業で、電子商取引を行っている割合が最も高いのは小売業という状況です。

 AI等の導入は50%が考えていない

次に今後のAIやIoT、ロボットの導入についての考えをみると、これらの導入を考えていないとする割合は、全体で50.7%となりました。既に導入しているとする割合は5%程度で、導入を予定または検討している割合を含めても、30%程度にとどまっています。

まとめ

IT導入が進まない理由として、費用の高さや効果の程度が分かりにくいという回答が多くなっていますが、生産性を高めるためには、ITの活用は効果的です。ただし、その活用に当たっては、目的を明確にすることが大切です。